金沢八景 2016.11.04(金)快晴

 かつては美しい入江が広がる景勝地で、歌川広重の浮世絵にも描かれた金沢八景をめぐります。今では昔の面影はほとんど偲べませんが、称名寺・野島公園・瀬戸神社など八景に選ばれた名所旧跡は今も健在です。

 起点は、京成本線・金沢文庫駅東口です。駅前から国道16号へ出て、すぐ南側を左折し東へ向かいます。

 徒歩12分で県立金沢文庫へ着きます。同館では10月28日から12月18日まで、特別展「忍性(にんしょう)菩薩」展を開催中です。
 金沢文庫の正面玄関です。同館では、つぎに訪れる称名寺(しょうみょうじ)に伝わる書籍・古文書・絵画・彫刻・工芸品を中心に、国宝・重要文化財を含む資料を収蔵・公開しています。
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 正面玄関前には、山の尾根によって隔てられた称名寺へと通ずるトンネルがあります。トンネルの壁面には、今回の主題となる歌川広重・浮世絵名所図 「武州金澤八景」の八連作が埋め込まれています。
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 「小泉夜雨(こずみのやう)」 手子神社付近から夜雨の一本道を見やる。
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  「平潟落雁(ひらがたのらくがん)」 野島(のじま)を後景に、平潟での潮干狩りと列になって飛び立った雁の群れ。 昔の野島はその名のとおり島だった。
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 「内川暮雪(うちかわのぼせつ)」 雪の降る切通を過ぎ、瀬ヶ崎の内川が六浦の海に流れ込む所まで辿り着いた。
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  「乙艫帰帆(おつとものきはん)」  今は埋め立てられた小柴の岬から乙舳海岸に向かって、帆を掲げて船が帰って来る。
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 「野島夕照(のじまのせきしょう)」 手前に遊覧船、奥に網船(あみぶね)。観光と漁業の町の姿がわかる。今の野島と六浦を結ぶ夕照橋付近。
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 「洲崎晴嵐(すざきのせいらん)」 塩田の後景は瀬戸橋付近の松並木。
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 「称名晩鐘(しょうみょうのばんしょう)」 夕暮れの称名寺から響く鐘の音と、漁船の上から夕べの祈りをする母親。今は埋め立てられ、一部は海の公園。
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  「瀬戸秋月(せとのしゅうげつ)」 瀬戸の橋を中心に右に料亭、左奥に野島。
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 トンネルを抜けると、称名寺の鎌倉時代随一の浄土式庭園が広がります。右から、阿字ヶ池の中島に架かる反橋、平橋、そして金堂です。
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 金澤八景「称名晩鐘」の称名寺の晩鐘、後方は金堂です。
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 金堂の東側に広がる“緑の草原”から見上げる称名寺市民の森の金沢山(きんたくさん標高76m)です。山頂の八角堂とそこからの眺望は、記事「称名寺市民の森から金沢文庫(金沢百景展) 2016.04.06(水)晴」で紹介しました。
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 海へ向かえば横浜シーサイドライン金沢シーサイドラインが見えてきます。
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 金沢シーサイドライン・海の公園柴口駅の脇をくぐれば、海の公園の柴口に公園案内図があります。(写真をクリックすると大判になります)
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 海の公園の北側にある柴漁港です。
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 海の公園の北から南へと続く砂浜です。
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 海の公園から海側の眺めは、金澤八景「乙艫帰帆」の現代版です。
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 陸側には砂防林と遊歩道があります。ちょうど正午を迎え、遠足らしき児童らが弁当を開いています。
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 海の公園南口駅から金沢シーサイドライン沿いに歩き、つぎの野島公園駅脇の野島運河に架かる野島橋の上から海(東)側を見通します。中央奥が八景島アクアミュージアムの三角屋根、右奥の緑はこれから行く野島公園です。
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 野島公園内にある旧伊藤博文金沢別邸の玄関です。別邸は広大な敷地にあり、木造平屋建茅葺きの建物が5棟からなります。
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 北東向きの客間・居間や庭園からは、目の前に広がる野島の海を見晴らすことができます。
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 別邸の牡丹園口から出た所にある野島公園の案内図です。(写真をクリックすると大判になります)
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 赤い「現在地」から、舗装されたS字カーブの緩い坂道を登り切れば、野島山(標高57m)の山頂広場に展望台があり、360度の眺望を楽しめます。
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 展望台から北方の絶景です。手前に金沢漁港、海の向こうに海の公園、その右に八景島が見えます。左奥の山の麓には、先ほどの称名寺があります。鳶がピーヒョロロと鳴きながら飛び去ります。
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 北方の八景島シーパラダイスを引き寄せます。2本の高い塔は、左の塔が垂直落下のスリルライド、右の塔が回転しながら上昇するキャビン、右の手前がサーフコースターです。
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 西方を引き寄せると、金沢シーサイドライン・金沢八景駅の右下には、後ほど訪れる円形の琵琶島と琵琶島神社の屋根が見えます。
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 南西方の鷹取山(標高139m)です。西の富士山は隠れています。
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 広場の端には、かながわの景勝50選の「野島の夕映」の石碑があります。金澤八景「野島夕映」につながります。
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 広場の反対側には、横浜市指定史蹟「野島貝塚」の解説板があります。「野島貝塚は、縄文時代早期後葉の遺跡で、貝塚は独立丘頂部の北側縁辺部及びそれに続く斜面中腹部に点在している」とあります。
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 下山のときは上りとは異なり、狭く急な石段を西側へ下ります。

 平潟湾に架かる夕照橋(ゆうしょうばし)の上から、シーサイドラインが横切る湾内の景色です。金澤八景「野島夕照」を思い起こしますが、野島夕照の夕照は「せきしょう」と読みます。
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 須崎公園から眺める平潟湾は、金澤八景「平潟落雁」の現代版です。
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 道路の反対側に立つのは「明治憲法草創の碑」です。伊藤博文らが明治憲法を起草した料亭東屋の跡地に立てられましたが、現在はとても殺風景な場所に移されたため、石碑の周りをそぎ落とします。
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 宮川に架かる瀬戸橋を渡れば、平潟湾の最奥にある瀬戸神社です。源頼朝が三島大社を勧進して創建し、金沢北条氏からも崇敬を受けたとのこと。金澤八景「瀬戸秋月」で知られ、交通安全・旅行案内のご利益があるそうです。
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 国道16号を挟み、瀬戸神社の反対側に鎮座するのが琵琶島神社です。石鳥居の前にある「武州金澤八景の図」です。中央左には琵琶島神社があり、その左に瀬戸神社があります。(写真をクリックすると大判になります)
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 その見取り図です。
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 琵琶島神社がある琵琶島は、平潟湾に突き出た堤の先端にある小島です。
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 琵琶島神社は、北条政子が琵琶湖の竹生弁財天を勧進し、海中に島を築いて創建したと伝わり、音楽芸能・立身出世・千客万来の神として信仰を集めているそうです。後景は、シーサイドラインの終点 金沢八景駅です。
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 平潟湾の南側に回れば、中央に琵琶島、左奥に瀬戸神社です。海に突き出た堤と琵琶島は、その名のとおり琵琶の形をしています。この景色からは金澤八景「洲崎晴嵐」が思い浮かびます。 
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 終点の京成本線・金沢八景駅は、その西側にあります。
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